top of page
consulting.png

MENU

小山写真.png

Client Interview #5 塚田農場プラス

「冷めても美味しい」を支える現場のこだわりと、AIワークフローがもたらした変革の歩み

小山浩晃様

宅配事業部部長

株式会社 塚田農場プラス

居酒屋「塚田農場」で培った「生販直結モデル」を中食事業に展開し、こだわりの食材を用いた「冷めても美味しい」お弁当で多くのファンを持つ株式会社塚田農場プラス。法人向けのロケ弁や会議弁当を主軸とする同社では、日々バラバラの形式で届く膨大な注文情報の処理という課題を抱えていました。その解決策として導入されたのが、HaruAutomationによる「AIワークフロー」です。単なるツールの導入に留まらない、現場に寄り添ったDXの歩みと、その裏側にある「共創」の物語について、宅配事業部部長の小山氏に、構築を共に行った佐藤氏・遠藤氏の視点も交えながら詳しく伺いました。

【目次】

  • 「冷めても美味しい」の裏側にあった、アナログな受注の壁

  • 「ツール屋さん」ではなく、共に歩む「伴走者」を選んだ理由

  • AIとn8nが織りなす「魔法のワークフロー」の衝撃

  • 変化の痛みを超えて──「成功体験」へのプロセス

  • AIリテラシー研修の導入と、次世代への展望

スクリーンショット 2026-05-21 23.03.37.png

1. 「冷めても美味しい」の裏側にあった、アナログな受注の壁

——まず、御社の事業内容と、今回AIワークフローを導入した宅配事業部の役割について教えてください。

 

小山:弊社は、東京都内23区を中心に、お弁当の製造・販売を行っている会社です。事業は大きく分けて2つあります。1つは品川駅や上野駅などのターミナル駅の「駅ナカ」やデパ地下でお客様に直接ご購入いただくBtoC事業。もう1つが、私が統括しているBtoBの宅配事業です。このBtoB事業では、テレビ局のロケ弁や、大きな貸会議室での会合など、法人の団体様から事前にご予約をいただき、指定の場所へお弁当をお届けしています。私たちは食材と調理法にこだわり、美味しいお弁当を追求しております。しかし、そのこだわりを支える裏側の事務業務には、大きな課題がありました。

 

—具体的に、どのような課題に直面していたのでしょうか?

 

小山:最大の壁は、受注チャネルの多様さと、それに伴う「情報のバラバラさ」でした。直接のお電話、自社ホームページ、そして複数のポータルサイト。さらに、この業界ならではの傾向ですが、いまだにFAXでのご注文が非常に多いのです。これらの注文情報を基幹システムである「ファイルメーカー」に登録するためには、届いた内容を一つひとつ目視で確認し、品名、数量、納品先、納品日といった情報を手入力で打ち替える必要がありました。

 

—5名体制で、朝から晩までその作業に追われていたと伺いました。

 

小山:はい。朝9時の始業から夕方18時の終業まで、アルバイトを含めた5名のチームがつきっきりで入力作業を行っていました。どれほど注意を払っても、人が介在する以上、入力ミスを完全にゼロにすることはできません。また、ありがたいことに売上は順調に伸びていますが、繁忙期になると入力作業だけで手一杯になり、現場は疲弊してしまいます。本来、私たちが時間を割くべきなのは、お客様へのお礼の電話や細やかなフォローといった「顧客満足度を高めるための創造的な業務」です。しかし、アナログな転記作業という「壁」が、その一歩を阻んでいたのです。

2. 「ツール屋さん」ではなく、共に歩む「伴走者」を選んだ理由

——数あるDX支援会社やITコンサルタントの中で、なぜHaruをパートナーに選ばれたのですか?

 

小山:きっかけは尾形さん(Haru代表)からいただいた一通のメールでしたが、お話ししてみてすぐに「他とは違う」と感じました。世の中には多くのAIツールがありますが、尾形さんは単なる「ツール屋さん」ではなかったからです。自社で開発した特定のツールを「これを導入すれば解決します、月額いくらです」と販売するスタイルではなく、既存の便利なツールを組み合わせて、私たちの業務に100%フィットする仕組みをカスタマイズして構築してくれる。そして、何より私たちが自走できるように「伴走」してくれる姿勢に強く惹かれました。

 

——尾形が発信しているブログや、過去の事例(時事通信社や毎日新聞社など)も参考にされたそうですね。

 

小山:ええ。尾形さんの考え方の中で特に共感したのが、「現場のやり方を尊重する」という点です。ITの視点から見れば、FAXや紙のチェックは非効率の象徴かもしれません。しかし、現場には「紙の方が一覧性が高い」「手書きの方が確実」という感覚が根付いています。尾形さんは「何でもかんでもデジタル化すればいい」と押し付けるのではなく、現場が大切にしているプロセスを理解した上で、その裏側だけをテクノロジーで効率化する提案をしてくれました。そのバランス感覚こそが、歴史あるメディア企業からも信頼されている理由なのだと納得しました。

3. AIとn8nが織りなす「魔法のワークフロー」の衝撃

——今回構築した「受注情報の自動フォーマット整形ワークフロー」について詳しく教えてください。

 

小山:一言で言えば、バラバラの形式で届く注文情報を、AIが瞬時に理解して基幹システム用のCSVデータに整えてくれる仕組みです。具体的には、ドイツ発の自動化ツール「n8n」をハブとしています。FAXなどの画像データが届くと、まずOCR(光学文字認識)でテキスト化し、その内容を生成AIが解析します。AIは「これは商品名だ」「これは個数だ」と文脈から判断し、必要な情報を抽出。それをファイルメーカーが読み込める書式に自動で並べ替え、指定のフォルダに格納するまでを全自動で行います。

——初めてそのデモを見た時の、現場の皆様の反応はいかがでしたか?

 

小山:「まさに魔法だ!」と驚きの声が上がりました。特にOCRの精度には驚かされましたね。過去に触れたことのあるOCRとは別次元で、AIが内容を補完しながら読み取ってくれる。今まで人間が30分かけていた作業が、ものの数十秒で終わるのを目の当たりにして、未来が現実になったようなワクワク感がありました。

 

n8nというツール自体については、どのような印象を持たれましたか?

 

小山:私は非常に便利なツールだと感じましたが、現場のスタッフにとっては「ノード」がつながる画面構成を見て、最初は少しポカーンとしてしまったのも事実です(笑)。ただ、そこを尾形さんが噛み砕いて説明してくれ、あくまで「裏側で動くエンジン」であることを示してくれたので、徐々に受け入れられていきました。

4. 変化の痛みを超えて──「成功体験」へのプロセス

——導入後、実務にはどのような変化が表れていますか?

 

小山:現在、主要なチャネルの一つで運用を開始していますが、現場の負担は確実に軽減されています。一件ずつの目視確認と手入力から解放されるメリットは計りしれません。

ただ、正直に申し上げますと、現在は「生みの苦しみ」の最中でもあります。CSVの出力自体は完璧なのですが、それを弊社の既存システム側で読み込む際の微調整など、トライアンドエラーを繰り返している段階です。

 

——新しい仕組みを導入する際、現場に心理的な抵抗はありませんでしたか?

 

小山:現場は本来、変化を嫌うものです。「これなら、慣れている前のやり方の方が早かった」という声が出ることもあります。しかし、それはどんな組織でもDXの初期段階で起こることだと思っています。今は、エラーが出たら尾形さんと一緒に潰し、一つひとつ「正しく動いた」という成功体験を積み上げているところです。このプロセスを乗り越えれば、どれほど楽になるか。そのビジョンを共有しながら進めています。小規模なスモールスタートから始め、徐々に範囲を広げていく時事通信社様の事例のような進め方は、非常に理にかなっていると感じています。

5. AIリテラシー研修の導入と、次世代への展望

——今後の展開として、社内リテラシーの向上にも着手されると伺いました。

 

小山:はい。今回のプロジェクトを通じて、私一人が理解していても意味がないと痛感しました。もし私が不在になっても、自分たちで仕組みを改善し、運用し続けられる「仲間」が必要です。そのため、5月から半年間にわたる「AIリテラシー研修」を全社で導入することに決めました。まずは14名のメンバーが参加し、デジタルをツールとして使いこなすための基礎体力を養います。そこから、尾形さんと共に新しいワークフローを構築していけるような「DX推進メンバー」を募っていきたいと考えています。

 

——御社にとって、Haru(尾形)というパートナーはどのような存在ですか?

 

小山:単なる外注先ではなく、弊社の未来を一緒に考えてくれる「頼りになる伴走者」です。レスポンスの速さや誠実さはもちろんですが、私たちの迷いや悩みに寄り添い、常に最適な道筋を照らしてくれる。高知新聞社の松井様が仰っていた「一度関わればみんなファンになる」という言葉の意味が、今ならよく分かります。

 

——最後に、DXや業務効率化に悩む企業の方々へメッセージをお願いします。

 

小山:DXを進める上で最も大切なのは、一人で抱え込まず、信頼できるパートナーを見つけること。そして、社内に「仲間」を作ることだと思います。新しい技術に触れることを恐れず、「まずは触ってみよう」と思える好奇心を持ったメンバーを巻き込んでいく。私たちはまだその道の途中ですが、AIワークフローという強力な武器を得たことで、スタッフがより付加価値の高い業務──つまり「お客様の幸せ」に直結する仕事に集中できる環境が見えてきました。伝統的なお弁当づくりと、最先端のAI。この融合が、塚田農場プラスを次のステージへ引き上げてくれると確信しています。

bottom of page